伐採跡地に侵入した植物
2016 / 12 / 12 ( Mon )
我が家の近くの山林に、鉄塔建設のために一部伐採された斜面が
あります。
今日はここを歩き、侵入植物の観察をしてきました。
伐採された森林跡地には、その環境に応じた植物が生育し始めます。
そして、時間の経過とともに植物の種や数が変化していきます。
これを植生の遷移 (せんい) と言います。
1伐採跡地

驚いたことに、タチツボスミレが咲いていました。

花が咲く仕組みはわからないことが多いようですが、花芽を形成する
プロセスに葉が異常に落葉したり、高い気温が続いたりすると、いわゆる
狂い咲き現象が起きるようです。
ツツジは狂い咲きのしやすい植物で、今年はヤマツツジの狂い咲きを、
あちこちで見かけました。
2タチツボスミレ

鮮やかな紅葉の一つに、ヤマウルシがあげられるでしょう。
羽状複葉と呼ばれる葉の付き方で、このような幼樹では葉に大きな鋸歯
(きょし) と呼ばれるギザギザがありますが、成長するにつけ鋸歯は無くなります。
3ヤマウルシ

アカメガシワは北海道を除き、国内でよくみられる樹木です。
その種子は、埋土種子 (まいどしゅし) と呼ばれ、数十年も発芽しないまま、
土の中で生き続けることができるのです。
このような伐採跡地に最初に入り込む植物は、先駆植物と言われます。
4アカメガシワ

イヌザンショウも、アカメガシワ同様に先駆植物です。
アゲハチョウなどの食草ですが、その独特の匂いは、人間にとって
好ましい匂いではありません。
5イヌザンショウ

これは、香辛料などに使われるサンショウです。
よく似た植物にイヌザンショウがあり、どちらもよく見かけます。
6サンショウ

伐採跡地には、埋土種子のほかに伐採前の植物の根などが残っています。
アオキは太陽の光が少なくても育つ陰樹ですが、このアオキは土の中に
残っていた根から育ったのでしょうか、それとも野鳥が種を運んだのでしょうか。
付近では、アオキの幼樹がたくさん見られました。
7アオキ

ここではムラサキシキブが多く、少し前まで紫色のきれいな果実をつけていました。
8ムラサキシキブ

ヤマコウバシはクスノキ科の植物で、落葉樹に分類されていますが、ほかの
落葉樹が葉を落とした春になっても、枯葉の状態で枝についたままです。
普通落葉樹は、秋になると葉の老化が進み、離層と呼ばれる細胞をつくり
落葉しますが、ヤマコウバシは離層ができません。
このため、強い風など、外部からの力で落葉するようです。
また、ヤマコウバシは、雌株と雄株が異なる雌雄異株です。
しかし、日本に生育するヤマコウバシは、雌株しかありません。
雄株がなく雌株だけで花を咲かせ、果実ができる不思議な植物なのです。
9ヤマコウバシ












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初めてのヨグソミネバリ
2016 / 11 / 05 ( Sat )
森林インストラクター仲間との観察会で、八溝山を歩きました。
中腹にある日輪寺から歩き始めます。

森に入ると、まだ紅葉には少し早いように見えますが、ハウチワカエデが
ひときわ鮮やかな紅葉を見せていました。
2ハウチワカエデ

この木なんの木か、しばしみんなで悩みました。
白っぽい樹肌がイヌザクラに似ていると感じましたが、高木性の樹木は
葉が落ちて確認しようがありません。
一人が、樹皮を少し削り匂いからミズメであることを確認しました。
ミズメは、別名ヨグソミネバリといい、枝や樹皮に鎮痛消炎剤に使われる
サロメチールに似た匂いがあります。
3ミズメ

林内の倒木に、キノコがびっしりとついていました。
これはヌメリスギタケモドキで、おいしい食菌です。
4ヌメリスギタケモドキ



20 : 50 : 49 | 森林インストラクタ- | トラックバック(0) |  コメントはこちらから(0)  | page top↑
初見参の黄色い花
2016 / 09 / 10 ( Sat )
恒例の、筑波山秋の花観察会です。
この日は、一般参加者と会員の26人で、つくば高原キャンプから
東筑波ハイキングコースを歩きます。
つつじヶ丘からロープウェイに乗り、女体山へ。
そこから、キャンプ場コースを戻ります。

この時期は、キク科やシソ科の花が多くみられます。
道を歩きながら、黄色い花が咲いているのを見つけました。
ほとんど見逃しそうな小さな花で、私は初めて見ました。
同行のインストラクターに聞くと、カラスノゴマということです。
1カラスノゴマ

カラスノゴマ(烏の胡麻)は、この時期によくみられるフヨウや
ムクゲと同じ仲間のアオイ科です。
長く突き出したものは、仮雄しべと呼ばれるものです。
雄しべは10~15個あり、その間に突き出た仮雄しべが5個あるのが、
カラスノゴマの特徴のようです。
仮雄しべとは、花粉をつくる機能が発達しない器官で、雄花と
雌花が別々な雌雄異花と呼ばれるに多いようです。
勉強になりました。
2カラスノゴマ
20 : 58 : 56 | 森林インストラクタ- | トラックバック(0) |  コメントはこちらから(0)  | page top↑
筑波山で秋の花
2016 / 09 / 03 ( Sat )
1週間後に予定されている「筑波山秋の野の花観察会」の下見に、森林
インストラクター仲間で、筑波山を歩いてきました。
つくば高原キャンプ場から、裏筑波といわれるルートを歩き、つつじヶ丘
からロープウェイで女体山へ向かいます。

歩き始めると、たくさんのマツカゼソウが見られます。
マツカゼソウは、柑橘類の果樹であるミカンと同じ仲間です。
まだ少し開花には早いようですが、さわやかさを感じる葉には、ミカン科の
特徴である油点と呼ばれる組織があります。
1マツカゼソウ

この花は、シソ科のジャコウソウです。
じゃ香の香りとかいう香料があるそうで、そこから名前が付けられた
ようですが、それほどの香りは感じられません。
2ジャコウソウ

ツクバネソウは初夏に地味な花を咲かせますが、果実は羽根突きの
羽根によく似た黒い実をつけます。
写真は、果実が落下した後です。
3ツクバネソウ

ヤブマメも咲いていました。
4ヤブマメ

ギンリョウソウモドキです。
春から夏にかけて見られるギンリョウソウに対し、夏から秋に見られる
ことから、アキノギンリョウソウとも呼ばれています。
ギンリョウソウとアキノギンリョウソウは、果実の違いにあります。
ギンリョウソウはトマトやカキ、ミカンなどのフルーツに見られるように、
液果と呼ばれます。
アキノギンリョウソウは、果実がアサガオのように乾燥し、裂けて種子
を放出する蒴果 (さくか) と呼ばれます。
5ギンリョウソウモドキ

やっと見ることができました。
セイタカアワダチソウをブタクサと呼ぶ人もいますが、これがブタクサです。
6ブタクサ

山中では、たくさんの大きな石が見られます。
これは山の上の方から転がってきた転石で、筑波山上部の岩体を
形成するはんれい岩と呼ばれるものです。地下深くでマグマが
ゆっくりと冷えて固まったものです。
7転石
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御前山観察会
2016 / 04 / 30 ( Sat )
城里町の御前山を歩いてきました。
「森林インストラクターと歩く御前山観察会」と銘打った観察会には、
36人が集まりました。
ハイキングコースを東登山口から西登山口に下り、皇都川に沿って
集合場所の河川敷駐車場に戻るコースです。

トウゴクサバノオ (東国鯖の尾) は、キンポウゲ科の植物で可愛らしい
花ですが、なんせ小さな花で、標準レンズでは難しいものがあります。
1トウゴクサバノオ

カテンソウ (花点草) は、大きな鋸歯があり、光沢のある葉の中に
小さな花をつけます。
2カテンソウ

ミヤマナルコユリ (深山鳴子百合) は、ユリ科の植物で、この時期に
咲くホウチャクソウやアマドコロ、ナルコユリなどと花が似ていますが、
それぞれの特徴を知ると、容易に同定できます。
3ミヤマナルコユリ

シロバナニシキゴロモ (白花錦衣) です。
ニシキゴロモの白花の品種を呼ぶようです。
4シロバナニシキゴロモ

オオバタネツケバナ (大葉種漬花) です。
タネツケバナに比べて、大きく強そうな感じを受けます。
5オオバタネツケバナ

沢沿いの道に、タチガシワ (立柏) を見つけました。
ツンと立ち上がった茎の先に、小さな花をたくさんつけています。
6タチガシワ

ラショウモンカズラ (羅生門蔓) とは、仰々しい名前ですが、
シソ科の植物です。
7ラショウモンカズラ

皇都川沿いの道には、アブラナ科のコンロンソウ (崑崙草) が
たくさん咲いていました。
8コンロンソウ
18 : 57 : 40 | 森林インストラクタ- | トラックバック(0) |  コメントはこちらから(2)  | page top↑
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