ブナ林で過ごした3日間
2017 / 08 / 08 ( Tue )
この3日間、山形県小国町の森を歩いてきました。
ここはもう10年以上前から、朝日連峰登山道整備のお手伝いで訪れています。

JR米坂線小国駅を過ぎ、五味沢から徳網の集落を過ぎ、しばらく森の中の
林道を走ると針生平 (はんなりだいら) に着き、車を停めます。
ここから大朝日岳方面への登山道に入ります。
すぐに、荒川に架けられた大石沢吊り橋を渡ります。
1大石沢吊橋

吊り橋を渡り、大石沢を越えると大石沢小屋です。
この小屋は、かつてはぜんまい小屋として使われていました。
2大石沢小屋

登山道を大朝日岳方面に向かうと、まもなく祝瓶山 (いわいがめやま) への
分岐があります。
祝瓶山は、ピラミダルな山容を見せる格好良い山です。
毎年、地元長井市が、市民登山を実施しています。
3祝瓶山分岐

「大朝日岳→」 と書かれた道標が見えます。
今は、ここからのルートを歩く人は少ないようです。
4大朝日岳道標

ブナの先に見える稜線は、新潟県村上市と山形県との県境尾根で、
袖朝日岳、西朝日岳から大朝日岳へと続く尾根です。
5ブナ林

登山道から周辺には、広大なブナの極相林が広がります。
ここは、豊かな森林生態系が残されている地域で、朝日山地森林生態系
保護地域に指定され、原生的な天然林が保護されています。
6ブナ林

二つ目の白布 (しらぶ ) 吊橋です。
吊橋のすぐ下流に、コンクリート構造物の潜り橋が造られています。
以前は、この構造物の上をピョンピョンと渡ることができたのですが、
コンクリートの一つが大雨時に流され、今は潜り橋を渡ることができません。
8白布吊橋

ブナ林の林床にはチマキザサが続きます。
このような笹は、毎年刈り払わないと道が塞がってしまいます。
チマキザサは、笹だんごを包む笹などに利用されています。
7登山道

三つ目の角楢 (かくなら) 吊橋です。
ここは1本の丸太の上を歩きます。
9角楢吊橋

角楢小屋に着きました。
この小屋は、何度もお世話になっています。
毎年の登山道整備では、角楢小屋や大石沢小屋、そして尾根上の蛇引きの
清水、祝瓶山からの赤鼻分岐など周辺をベースに、仲間とともに草刈りを
行ってきました。
一日の作業を終え、このテーブルで仲間とともに酌み交わす酒には、
楽しい思い出がたくさんあります。
10角楢小屋

角楢小屋から再びブナ林の歩きです。
7月の草刈り時に聞こえたエゾハルゼミの声が、今はエゾゼミの鳴き声に
変わっていました。
11ブナ林

登山道はいくつもの沢を横切ります。
冷たくておいしい水場です。
12沢

今回の目的の一つ、エゾアジサイが咲いててくれました。
青空のブルーと、4枚の大きな花弁をもつ装飾花が特徴で、
とてもさわやかな花です。
13エゾアジサイ

大玉沢吊橋です。この吊り橋の先は、平岩山から大朝日岳に続く尾根に乗ります。
今日はここで引き返します。
14大玉吊橋

2日目の宿は、小国町五味沢の白い森キャンプ場です。
隣の白い森交流センターりふれで、たっぷりかいた汗を流しました。
15キャンプ場

キャンプ場のすぐ上の山は、わらび山として整備されています。
斜面の樹を伐採し、ワラビを植えたのです。
16ワラビ山

キャンプ場脇には、清流荒川が流れています。
まるで、唱歌に歌われた故郷 (ふるさと) の 「兎追ひし かの山 小鮒釣りし
かの川」 の世界です。
このあと 「山は青き 故郷 水は清き 故郷」 と続きます。
17山や川
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ランを見に、神社めぐり
2017 / 07 / 27 ( Thu )
この7月に入り、2度目の鹿行方面歩きです。
今回も鹿島市に住む山仲間の案内で、鹿島から神栖、そして千葉県香取市へ
足を伸ばしました。
最初に向かったのは、鹿島神宮です。
鹿島神宮の森は神域ということもあり、長い間守られてきました。
このため、スギなどの巨樹、古木があちこちで見られます。

今日は、これらの古木に着生するラン科植物のフウランを探すのが目的です。
環境省の絶滅危惧種に指定されているフウランは、茨城県のレッドデータ
ブックを見ると、鹿嶋市と神栖市に生育すると書かれています。
広い境内でまだ見たことのないフウランを探し出すのは至難の業で、仲間が
神社の関係者に聞いてくれました。
そこで教えてもらったのが、この写真です。
スダジイの古木の上のほうに1ヶ所だけ確認できました。
写真ではわかりにくいのですが、真ん中付近の幹についている白いものが
フウランです。
私のデジカメでは、精一杯ズームしてこの程度です。

フウランは、県内で見られるのはここだけと思われますが、お隣千葉県の
香取神宮では結構見られるということで、仲間が下見をしてくれました。
1鹿嶋神社

鹿島神宮からは、香取神社に向かう前にちょっと寄り道します。
そこは、神栖市にある一等三角点の設置された弁天山です。
弁天山は、鹿島臨海工業地帯の鹿島東部コンビナートにある、鹿島
南共同発電(株)の工場内にあります。
このため、山に登るには会社の許可をもらう必要があり、入門時に
運転免許証のコピーを提出しました。
2弁天山1等三角

ピークからの展望は、石油化学コンビナートが広がります。
西方面すぐ先には、鹿島港が入り込んでいます。
3弁天山展望

神栖で昼食後、利根川を渡り、香取市の香取神宮に向かいました。
ここの香取神宮は、全国にある香取神社の総本社ということで、
歴史のある神社です。
4香取神宮

早速、神社の楼門脇のケヤキの古木に着生したフウランが見られました。
5香取フウラン

拝殿近くのクロマツに着生しています。
6香取フウラン

こちらは、イチョウの古木に着生しています。
フウラン(風蘭)は、花の美しさと香りで観賞用に栽培されているようです。
今日見たフウランは、すべて古木で、人の手の届かない高いところで見られ
ました。
種が風に乗って、古木に着生したコケについて成長したものでしょうか。
ほかの植物の生育に適さないこのニッチな場所を獲得して、力強く生き続け
ているのです。
7香取フウラン
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絶滅危惧種を切っちゃった。
2017 / 07 / 17 ( Mon )
インストラクターの林業研修で、県北の林業家の森林に入りました。
私はもう20年近くこの森に入り、人工林の植え付け、下刈り、枝打ちや
間伐などの作業の、ほんのわずかなお手伝いを続けてきました。
荷見の森

今日は、下刈りの作業です。
下刈とは、植え付け間もない苗木を周りの雑草木から守るために
行う作業で、鎌や刈払機で刈り取ります。
植林されたスギやヒノキは、自然に成長する天然林と比べ競争に弱く、
放っておくと雑草木に覆われ、太陽光を奪われて枯れてしまうことが
あります。
このため夏場のこの時期に、林内の草や木を刈り取ります。
下刈り

作業中、一瞬の出来事で、ヤマシャクヤクを刈払機で切り落として
しまいました。
ヤマシャクヤクは、関東から九州に自生する植物で、環境省の絶滅
危惧種に指定されている希少な植物です。
園芸種で中国原産のシャクヤクと比べ、純白で一重の花弁を持ち、
清楚な感じの花が咲きます。
ほとんど見ることのできない植物で、この花を捜し求めて山歩きを
している人もいるようです。

それでも、すぐ近くに果実をつけたヤマシャクヤクを見つけました。
来年、純白の花を求めてここに来ようと考えています。
下刈り
20 : 33 : 23 | 森林インストラクタ- | トラックバック(0) |  コメントはこちらから(0)  | page top↑
高山植物の咲き続ける飯豊山
2017 / 07 / 12 ( Wed )
山仲間と飯豊山を歩いてきました。
梅雨のこの時期は計画が立てにくいのですが、この3日間は
最高のお天気に恵まれました。
今回は、御沢登山口から山小屋2泊の日程で、高山植物を
楽しみながらの山歩きです。
1御沢登山口

長い尾根道を登り続けると展望が開け、飯豊山が見えました。
2登山道

歩き始めて間もなく、白いイワカガミが咲いていました。
3イワカガミ白

オオバユキザサは、よく見られるユキザサに比べ、葉など
全体が大きく目立ちます。
4オオバユキザサ

ズダヤクシュ
5ズダヤクシュ

ネバリノギラン
6ネバリノギラン

ミツバオウレン
7ミツバオウレン

ウラジロヨウラク
8ウラジロヨウラク

ツマトリソウ
9ツマトリソウ

オオコメツツジ
10オオコメツツジ

ウワミズザクラが咲いていて、驚きました。
11ウワミズザクラ

タニウツギ
12タニウツギ

ノウゴウイチゴ
13ノウゴウイチゴ

ムラサキヤシオ
14ムラサキヤシオ

オオカメノキ
15オオカメノキ

初日は、三国小屋泊りです。
山並みのグラデーションが墨絵のように幻想的です。
16三国小屋の夕

三国小屋の朝です。
目指す飯豊山が見えます。
17三国小屋展望1

左の高みは、飯豊連峰の最高峰大日岳です。
18三国小屋展望3

オトギリソウ
19オトギリソウ

コケモモ
20コケモモ

コバイケイソウは、今年は外れのようです。
わずかに咲いていた個体も、花は終わりかけていました。
21コバイケイソウ

シラネニンジン
22シラネニンジン

シラネアオイと雪渓
23シラネアオイと雪渓

ハクサンシャクナゲ
24ハクサンシャクナゲ

アカモノ
25アカモノ

マイヅルソウ
26マイヅルソウ

ミヤマキンポウゲ
27ミヤマキンポウゲ

ミヤマクルマバナ
28ミヤマクルマバナ

モミジカラマツ
29モミジカラマツ

清楚な感じのオノエランを、あちこちで見ることができました。
30オノエラン

アカモノとハクサンチドリ
31アカモノとハクサンチドリ

サラサドウダン
32サラサドウダン

ニッコウキスゲ
33ニッコウキスゲ

いつみても感動のヒメサユリです。
34ヒメサユリ

ハクサンチドリ
35ハクサンチドリ

ウズラバハクサンチドリ
36ウズラバハクサンチドリ

飯豊山神社の祀られているピークが、だいぶ近づいてきました。
37飯豊山遠望

イワイチョウ
38イワイチョウ

アオノツガザクラ
39アオノツガザクラ

ショウジョウバカマ
40ショウジョウバカマ

ゴゼンタチバナ
41ゴゼンタチバナ

シロバナクモマニガナ
42シロバナノクモマニガナ

開花前のガッサンチドリです。
43ガッサンチドリ

飯豊山に近づくにつれ、夏道は残雪の雪田に覆われ、雪田のトラバースとなります。
44雪渓

マルバシモツケ
45マルバシモツケ

左手には、大日岳も間近に見えます。
46飯豊山

オオバキスミレ
47オオバキスミレ

ミヤマハンショウヅル
48ミヤマハンショウヅル

ダイモンジソウ
49ダイモンジソウ

ヒナウスユキソウ
50ヒナウスユキソウ

広い雪田の斜面を登ります。
51雪渓

ヨツバシオガマ
52ヨツバシオガマ

ベニバナイチヤクソウ
53ベニバナイチヤクソウ

タカネスミレ
54タカネスミレ

ミヤマダイコンソウ
55ミヤマダイコンソウ

長いアップダウンを繰り返し、最後の鞍部に姥権現 (うばごんげん)
呼ばれる石仏が祀られています。

この姥権現は、昔飯豊山が女人禁制の霊山であったころ、この禁を
破って山に入り、神の怒りにふれ石になった、というような伝説が
あるようです。

今ではかつての女人禁制などうそのように、元気なおばさんたちが
飯豊山を目指しています。
56姥権現

ハクサンフウロが一輪だけ見られました。
57ハクサンフウロ

チシマギキョウ
58チシマギキョウ

ムカゴトラノオ
59ムカゴトラノオ

高山地帯を彩るオヤマノエンドウです。
60オヤマノエンドウ

ハイマツの赤い雄花が目立ちます。
61ハイマツ

ミヤマアカバナ
62ミヤマアカバナ

チングルマ
63チングルマ

コイワカガミ
64イワカガミ

やっと見られました。
イイデリンドウです。
65イイデリンドウ

ムシトリスミレ
66ムシトリスミレ

ハクサンイチゲ
67ハクサンイチゲ

ミヤマキンバイ
68ミヤマキンバイ

ツリガネニンジン
69ツリガネニンジン

カラマツソウ
70カラマツソウ

クルマユリはまだつぼみですが、これから山を赤く彩ることでしょうか。
71クルマユリ
15 : 00 : 57 | 山歩きと自然観察 | トラックバック(0) |  コメントはこちらから(0)  | page top↑
海浜植物の鹿島灘
2017 / 07 / 02 ( Sun )
鹿嶋市に住む山仲間の案内で、市内を歩いてきました。
鹿嶋を含む鹿行地方は山のない平坦な地というイメージですが、
意外と面白い所があります。
最初に案内された「林城跡」では、土塁や堀の斜面などに、半日陰を
好む植物が多く見られました。

林床でよく見られたのが、ウラシマソウです。
花の時期にはわかりやすいのですが、葉にも特徴が現れていることを
知りました。
1ウラシマソウ

赤い果実をつけたマンリョウも多く見られます。
2マンリョウ

カラタチバナは、暖かい地方に多い植物で、県北の山ではあまり
見かけませんが、ここではよく見られます。
百両 (ヒャクリョウ) とも呼ばれ、上記の万両 (マンリョウ) とともに、
赤い実のつく縁起物の植物といわれています。
3カラタチバナ

「天狗党の墓」では、薄暗い林床にイチヤクソウが咲いていました。
和名の一薬草は、乾燥させて薬としたところから名づけられたようです。
4イチヤクソウ

アリドオシは、別名を一両 (イチリョウ) といい、赤い実をつけた
縁起物の植物です。
長く伸びた鋭いとげがあります。
5アリドオシ

鹿島神社に広がる神宮の森は、長い間神域として守られてきたため、
豊かな森が形成されています。
この森は、茨城県の天然記念物に指定されています。
6神宮の森

鹿島灘は、大洗から千葉県の犬吠埼まで続く太平洋です。
この海岸沿いにもたくさんの海浜植物が見られます。

この時期、海岸はスカシユリで赤く染まっています。
7スカシユリ

花を上向きにつけるスカシユリは、花弁の付け根に隙間が
あり、その先が透けて見えることからスカシユリと名づけら
れたとのことです。
8スカシユリ

スカシユリの近くにオニユリも見られました。
花期がずれるようで、まだすべてつぼみです。
スカシユリと同じオレンジ色の花を咲かせますが、花は
横向きか下向きにつきます。
また、花弁が大きく反り返りくるっと巻くようにつきます。
9オニユリ

ハマナデシコです。
とても野生の植物とは思えず、最初に見たときは園芸種が
逃げ出したものと思いました。
10ハマナデシコ

ハマナデシコは、海岸沿いに自生する植物ですが、その
美しさから園芸種としても栽培されているようです。
11ハマナデシコ

スナビキソウも結構見られます。
一部にはつぼみをつけたのも見られました。
白い花は、同じ仲間で薄紫色の花をつけるホタルカズラに
よく似ています。
12スナビキソウ

ハマボウフウは、海岸の開発などで県内ではほとんど
見られなくなりました。
13ハマボウフウ

ハマボックスは、美しい花をつけることで知られるサクラソウ科の
海浜植物です。
14ハマボックス

日当たりのよい野原などで見かけることの多いヒメヤブラン
ですが、砂地でも生育することを始めて知りました。
15ヒメヤブラン

ヒレハリソウはコンフリーと呼ばれ、ヨーロッパ原産で食用や
薬草として日本に入ってきたようです。
しかし、健康障害が起こることがわかり、厚生労働省では
摂取しないよう注意喚起をおこなっています。
16ヒレハリソウ

帰り際に通ったため池らしき場所に、水草のホテイアオイが
水面を埋め尽くしていました。
ホームセンターで売られているのを見ますが、花は始めて
見ました。
17ホテイアオイ
20 : 27 : 49 | 山歩きと自然観察 | トラックバック(0) |  コメントはこちらから(0)  | page top↑
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